2017年1月22日 (日)

1月度「癒しの園芸講座」開催

 大寒から節分までの寒さが一番厳しいと言われますが、1月21日(土)も冷え込んで、風花がちらちらと舞っていました。講座室の窓から見えるユリカモメの白い姿も寒そうです。

 最初は「精神障がい者への理解」で、NPO法人ソーシャルハウスさかい『出前はぁと』さんの講演でした。『出前はぁと』は精神障がい者の理解を深めるための当事者講師派遣事業で、今回は近島勇さんと桜井さんのお二人にご自身の体験談をお話ししていただきました。桜井さんは仕事への責任感から頑張りすぎてうつ病を発症。体までダメージを受けたそうです。この病気にならない方が良いと思うが、なっていないと出会えなかった人たちとの出会いがあって、今は仕事をやめて作業所に通えることが生きがいになっていると話されました。近島さんは、51歳の時に初診を受けてから統合失調症と診断されるまでの苦悩、薬を飲むようになって出てきた副作用のお話をしてくださいました。さらに、ようやく自分が病気だと認識できたことで、病気ならば直さなければと思い、体調管理ができるようになったそうです。当事者が当事者を支える(ピアサポート)ことで、お二人とも「病気になったことはマイナスだが、病気をしたことが体験になって、今は安定した気持ちで精神障がい者の代弁をする活動を心の拠りどころにしている」と話されました。実感のこもったお話に受講生さん達も胸を打たれた様子で聞き入っておられました。犯罪に結びついた事件についての質問もありましたが、差別をあおるようなマスコミの報道は疑問だと答えておられました。

 講演2は寺田考重さんの「人と植物のきずなⅡ」でした。6月の「思い出の花」では私たちが園芸福祉の活動において、どの植物を使うかを考える際、日本人の持つ植物感は役に立つというお話でした。今回は、園芸福祉でよく使われている植物について、草と木の違い(バナナは木ですか?竹は草ですか?等の質問)や特色、癒し効果などをわかりやすく説明していただきました。続いて、画像で車椅子の作業に適したレイズドベッドの紹介をしていただきました。

 実習は12月にお出しした課題「クラフトプログラムの実践」で、受講生さんたちにご考案いただいたクラフトのプログラム発表です。皆さん創意工夫された作品を持ってこられました。
 まずペアになった人と交互に指導し合い、それぞれのプログラムを体験してもらいました。対象者や人の集中力の目安とされる15分で作品が完成するようにという条件も付いています。一番最後にご自分の作品のポイントやどんな方を対象者とされているかなどをお一人ずつ説明していただきました。

 皆さんの作品は、2月15日(水)~27日(月)に、大泉緑地・花と緑の相談所で開催される「癒しの園芸展」で展示されます。

 今日の受講生出席17名、スタッフ16名でした。(大川内美恵子 写真提供も)

出前はあと:近島勇さん

精神障がい者の代弁をする活動が生きがいです。

近島さんは詩人としても活動。同人誌「RIVIERE」

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詩やエッセイを発表

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講演「人と植物のきずなⅡ」寺田考重さん

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園芸福祉を楽しんでもらうためのツールとは

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レイズドベッドの紹介

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「プログラム作りの実践」

ペアになった人と交互に指導して、クラフトの体験

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教えあうのも楽しい!

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きれいな作品になりそう!

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いろいろ考えてますね

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交代で作った作品

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作品のポイントを話していただきました

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ここがかわいいでしょ!

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それぞれに創意工夫された、楽しい作品ばかり

2016年12月18日 (日)

12月度「癒しの園芸講座」開催~その2

 午後からは、まずインフォメーションで、課題「プログラム作りの実践」の内容について山中さんから説明していただきました。受講生さんご自身にクラフトプログラムを1つ考案していただき、見本とその材料を用意してもらって、1月の講座日にペアを組んだ相手に作ってもらうというものです。見本作品は来年2月に大泉緑地・花とみどりの相談所で開催される「癒しの園芸展」で展示させていただきます。

 講演(2)は井田和子さんの「時代と共に変化する年中行事」でした。先に向かいの相談所で「クリスマスファンタジーの飾りつけを見ましょう」と言われて、皆で見に行きました。松ぼっくりで作られたツリーやいろいろなリースはどれも素敵な飾りつけで楽しいものでした。戻ってから、ツリーになぜ常緑樹が使われているのか、いつごろからその風習が始まったのかなどクリスマスにまつわるお話を聞きました。

 続いて年中行事のお話もしていただきました。冬至、お正月、七草粥を食べる風習から春の七草までです。冬至はカボチャを食べて、柚子湯に入るのは古くから慣れ親しんできた習わしであること、一年の最大の行事であるお正月は、新しい年の守り神である歳神様をお迎えするもので、大切に祝われ、食事をするための「おせち料理」を作る意味もお話しいただきました。

 最後は室内園芸実習、クリスマスのクラフトですが、その前に、ティータイムを取り、ぽけっとさんのマドレーヌを頂きながら、先月のハートピア堺での訪問園芸のふりかえりをしていただきました。「皆さん最初は緊張されていたようでしたが、相手の方が来られると、比較的スムーズにお話しされていたように思います。全体的にはとてもよい雰囲気で良かったと思います。」と評価していただきました。受講生さんからは「障がいの程度がわからなくて戸惑った」「対応が難しかった」という意見もありました。

 実習では、大きな松ぼっくり(シェラコーン/ジェフリー松)をツリーに見立てて、飾り付けました。岡部佳子さんがあらかじめ見本を作ってくださって、手順の説明をしてくださいました。モールで星やステッキを作ったり、青いボンボン、雪のような白いコットン、それに皆さんが以前の実習で作った千日紅のドライフラワーなども使用します。皆さん夢中で作業されていました。楽しい雰囲気の中、12月の講座も無事に終わりました。(大川内美恵子 写真提供も)

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課題:「プログラム作りについての説明」山中尚子さん

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花と緑の相談所「クリスマスファンタジー」のディスプレーを見学

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講演:「時代と共に変化する年中行事」井田和子さん

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ぽけっとさん特製のマドレーヌを頂きながら訪問園芸実習のふりかえり

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大きな松ぼっくりやわー

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いろいろとイメージが湧いてくるようです

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ホワイトクリスマスのイメージかな?

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これも写してください!

12月度「癒しの園芸講座」開催~その1

 本格的な寒さがやってきました。12月も半ばが過ぎてあっという間にカウントダウン。受講生さんたちもお忙しいのか、16名の方が欠席されました。(受講生16名、スタッフ16名で対応いたしました。)

 講演(1)は「知的障がい者施設と地域社会との交流」で、ワークセンター・ぽけっとの重見施設長からお話をお聞きしました。阪南市にある同施設の概要、障がい者の種類、活動内容について紹介していただきました。内職作業、施設外就労もあり、さまざまな活動を頑張っておられます。職員さんに伝えているのは、全てを受け入れて、いつも笑顔を忘れないこと、特にほめることが大切で「まずは自分がやってみる。言って聞かせる。もう一度やらせててみる。そしてほめる。」ということでした。また、障がいのある方と関わるための心構えとして、具体的な援助方法も教えていただきました。最後はゲーム形式でコミュニケーションの取り方を体験しました。

 園芸実習は落ち葉の堆肥作りです。事前に講座会室で、大泉緑地で拾った落葉広葉樹のクヌギやコナラ、ケヤキの落ち葉を見ていただきました。クヌギ林に行き、事前にスタッフが数ヶ所に集めておいた落ち葉を一人ずつ袋に詰め込んで、堆肥作りのピットへ運んでもらいました。ピットへ移動してスタッフの吉村隆さんから落ち葉堆肥作りの説明がありました。どのような落ち葉が良いか、どのようにできていくのか、落ち葉の上に米ぬか、発酵させるための促進剤を使い、シートを被せて温度を保っていることなどをお聞きしました。

 そして、実習花壇に移動し、春花の苗の植え付けをしていただきました。9月の実習で播種し、10月にポット上げしたビオラなどです。スタッフの説明を受けてから班ごとに分かれ、レイアウトのアドバイスを受けながら植えつけます。まだまだ小さな苗たちですが、元気に育ち、ビオラは一輪だけ花をつけていました。(大川内美恵子 写真提供も)

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講演:「知的障がい者施設と地域社会との交流」
ワークセンターぽけっと・重見施設長

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ゲーム形式でコミュニケーションの取り方を学ぶ

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左手の中指を動かしてください~と言われても・・・難しい!

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クヌギやコナラなどの落ち葉

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落ち葉の堆肥作りの説明:吉村隆さん

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集めているうちに寒さも忘れて

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集めた落ち葉の上に米ぬかなどを混ぜます。

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実習:花苗の植え付け

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スタッフからレイアウトなど植えつけの説明

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こんな感じかしら?

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植えつけます

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水やりも慣れましたね

2016年11月28日 (月)

11月度「癒しの園芸講座」開催~その2

 午後から、受講生の皆さんはタクシーで分乗して「ハートピア堺」に移動していただきました。

 手洗い、うがいをしていただいて、今回の会場となる4階に苗や資材などを搬入。皆さんに手分けして準備も手伝っていただき、ペアリングを待つばかりとなりました。まだこの状態でも緊張されておられる方も見かけられましたが、いよいよ2時から1対1の寄せ植え実習です。スタッフの方が入居者さんをお席まで連れて来られて、実習がスタートしました。緊張気味だった受講生さんも、午前中の講演で学んだポイントを思い出しながらスムーズに支援されていました。あちらこちらから楽しそうにお喋りする声や笑い声まで聞こえてきます。会場内は打ち解けたようなほんわかムードに。何より一生懸命サポートしようとする皆さんの気持ちが通じたのか、それを気持ちよく受け入れてくださっているのが入居者さんの表情から伺えました。できあがった作品はひとまずベランダの方に置いていただきました。ラベルにご自分の名前が書いてあるのを見て、大満足のご様子でした。

 最後にスタッの方が施設内を案内してくださいました。屋上にあるレイズドベッドに「こうして座って植えると楽ですね」と、実際に座られて確認される方もいらっしゃいました。入浴施設なども見学させていただいて、往年のスターの写真を飾ることや、懐かしい水屋などを置くことで、できるだけ殺風景な雰囲気にならないよう配慮されているとのことでした。

 施設の方に見送られて「ハートピア堺」を後にし、最寄りの南海本線・七道駅までスタッフが引率して、解散いたしました。(大川内美恵子 写真提供も)

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準備も手分けして手際よく。

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準備完了!あとはペアリング。

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私がサポートしますからね。

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一生懸命さは伝わりますね。

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楽しそうですね!

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できあがった作品。

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屋上に案内していただきました。

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入浴施設も見せていただきました。

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懐かしい水屋や公衆電話もありました。

2016年11月27日 (日)

11月度「癒しの園芸講座」開催~その1

 紅葉の見頃だというニュースも流れている中、あいにく前日からの雨が降り続いていました。今回は大泉緑地を離れて、堺市総合福祉会館での講演です。

 講演(1)はハートピア堺・梅川聖子さんの「高齢者施設の概要と園芸活動」でした。まず、特別養護老人ホーム・ハートピア堺の紹介をしていただき、特養とはどういった施設なのか、介護度の分類など、基本的なことも含めてお話してくださいました。なかなか外に出られない入居者さんたちに季節を感じていただくこともとても大事に考えておられ、同施設では、お花見や納涼祭り、運動会、バザーなど、季節に応じていろいろな行事を企画し、入居者のご家族にも来ていただいて、一緒に楽しんでもらっているとのことです。また、これらの行事以外にも、外食やお買い物を楽しんだりするなど、日々の中での楽しみづくりに加え、口腔ケアを強化することで肺炎防止につながっていること、機能訓練によって介護度が低くなったことなど、施設でのさまざまな取り組みについても話していただきました。

 同施設での園芸導入のきっかけは癒しの園芸の会との出会いがあったからとのことで、屋上花壇、菜園の設置で花や緑を見て、入所されている方たちの表情が和らぎ、会話が弾むなどの効果があり、そこからスタッフの意識も変化してきたそうです。介護の仕事は精神的にも肉体的にも大変なことも多いが、花の水やりや収穫の作業を入居者と一緒にすることで、自分たちもまた癒されているということに気づいたからと締めくくられました。

 講演(2)は「高齢者施設における対人援助」で、山中尚子さんから高齢者に対する援助方法について説明がありました。今回の材料はミニハボタン、ビオラ、ストックの3種類です(花苗は岡部佳子さんに用意していただきました)。色も華やかで、ストックからはほんのりいい香りがしています。お正月に飾るハボタンはお年寄りにはおなじみの植物で、季節感や昔の記憶にも結びつきやすく、こういった点も高齢者を対象に植物を選ぶ時のポイントになります。また、対象者の世代からすると、ビオラは「三色スミレ」と言った方が理解していただきやすい人もいるということでした。「ハートピア堺」で実習する寄せ植えプログラムについては、目的はきれいな作品を作ることではなく、花は手段の一つであり、ご本人にいかに満足感や達成感を持っていただくかの方が大切だという点を強調されました。挨拶から始まり、ゆっくり、はっきり話すこと、あくまでもご本人のペースで進めていただくことなどに続き、フェイススケール(にこにこ評価表)の説明、異食された場合の対処等の注意もありました。(大川内美恵子 写真提供も)

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講演(1):「高齢者施設の概要と園芸活動」ハートピア堺・梅川聖子さん

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講演(2):「高齢者施設における対人援助」山中尚子さん

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